社畜を測る方法
- 2018.02.05 Monday
- 15:33
人事部の端っこに座って、個人的には仕事ではない、ルーチンワークを日々こなしてさっさと帰る日々が続いてる。
非常に楽だ。
ただ、何も考えることを会社でしないというのも、退屈なものだ。
「仕事ではない」と書いたが、我輩にとっての仕事とは、何もないところから何かを作るというものだ。既に出来上がってる流れ作業を繰り返すことは「仕事」ではないし、ましてやそれに対して「忙しい忙しい」と喚くのは無能極まりないことだ。
面倒なルーチン量を如何にして減らすのかが「仕事」の一種である。他者に振りかけて自分の負担量を如何に減らすかは「仕事」であるし、エクセルにちょっとした関数やVBAを入れて簡易化するのも「仕事」、意味をなさない内容をピックアップして関係各位と相談して除去するのも「仕事」だ…。
いるんだよね…そういう無駄なルーチンを大袈裟に喚きたてて
「俺様がいないと会社は成り立たない」
「あたしがいて始めて会社は動くのよ」
という”属人化”の権化。
日本が仕事の効率の面で低劣なのは、こういう手合いが幅を利かせてるというのが一番の原因であるし、こういうのが幅を利かせてる会社は潰れやすい。
100年生きる機械化人間であれば文句も言わないが、誰しも死ぬわけである。
んで、こういう人間は、「引き継ぐ」という能力がないし、仕事を減らす、譲るということに対して極度の恐怖心を抱いてる。わずか一枚の社内フォームを他部署に移すというだけで、強烈なヒステリーを起こして抵抗する。
「社畜」という言葉がある。
決まった定義が存在している言葉ではない。
多種多様の解釈こそあるが、ただ共通しているのは、全人格を会社に依存し、会社において他者に対して譲ろうとしない業務を独占し、改善することもなく(正確に言えば改善する能力がないだけ)、既に様々な方法で効率化されている手法を一切拒否し、それに関連する事柄に対して問い合わせてくる社員に対して服従を要求する(これは面白いことに、肩書に関係しない。単なる平社員でも、その業務を独占する社畜であれば、ルサンチマンをこじらせて、冗談にしては度を越した平伏を要求してくる)。
会社をキャバクラかホストクラブか、そんな感じでしか他の社員に対してコミュニケーションを取る人間が、我輩なりの「社畜」だ。奴隷と認識した社員を馬鹿にし、敵と認識した社員を奴隷ともども無視するという、Fラン女子高のような低湿ないじめをも行う。更には「この会社での決まり通りにやれ」と喚くわけだから、つまりは、他社では仕事ができないというのも、定義の一項目に加えても良いかもしれない。
こういうのが跋扈しやすい会社は、どうも、過去にある種に「ショック」があったのが原因が共通してあるようだ。
リーマンショックで大量リストラが行われた際に、優秀な社員は早期退職に手を挙げて出て行き、残ったのはまさに前述の「社畜」なわけだ。
クビにならないように、自分が独占する業務を作り上げ、崩そうものなら牙を剥く。
他社でやれる能力を持ち合わせていないわけだから、「この会社での決まり」という「存在しない決まり」を自分ででっち上げて、知らない社員を煙に巻く。
そして定年退職を迎える段階になっても、業務を後継者に渡すこともなく(正確に言えば、渡す能力を有さない)、いなくなった後で業務が混乱する状態をもたらす(「自分がいなくなったからだ」という責任転嫁と一緒に)。
多すぎる…あまりにも多すぎる。
とはいえ、どうこうする気持ちは全くないし、するという仁義も存在しない。
ただこの馬鹿ブログをお読みになられてる皆さんの中で、「ああ、社畜にはならないようにしなければ」というお気持ちがあるのであれば、最低でも以下のことをしないよに心掛けていただければ幸いである。
観察してる中で、こういうことをしていると、ほぼ例外なく「属人化」を拗らせた「社畜」である。
逆に言えば、こういうことをしなければ、少なくともそういう、外では使えない人間になるということを避けられるのは確かだ。
社内で爪を切るな。
仕事の電話で、半分以上プライベートな話をするな。
家族のことをベラベラ喋るな。
社外のことで分からないことがある場合、「誰か知らない?」と社内で大声を張り上げるな。
自分の飲み物や食べ物を、自分よりも弱い社員に買わせるな。
人を差別して挨拶を拒絶するな。
忙しい忙しいと喚くな。
残業自慢をするな。
会議で内職するな。
新しい知識や情報を拒絶するな。
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会社の中にプライベートを持ち込み、ある種の体育会系の発想で他者と関わりを持つ、外に対して学ぶ経験を持たない人間は、社畜になるということだ。そういう簡単な傾向が共通してあるということだ。
そして一人でもいると、会社はあっけなく潰れる。
7回転職し、内3社が倒産した経験を持つ我輩が、まさか今の会社で…。