マレーシアの「Stand by me」で見つけたあること

  • 2015.05.15 Friday
  • 21:22
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以前日記で紹介したマレーシアの国民的漫画「Kampung Boy」。
実はこの漫画に続編があり、マレーシアにまず入った一番の理由が、これを探して買うことであった。

まあつまりそれほどまでに、我輩は遅まきではあるが、大変好きな漫画になった…というわけだ。














KLの紀伊國屋書店で、特別スペースが設けられていた。
「Town Boy」に限らず、LAT翁の他作品(社会風刺、ギャグ、何よりも急速に近代化するマレーシアの様子を面白おかしく描かれている)の本も買った。
ついでに…と言ってはなんだけど、マレー語の簡易教材も。
アルファベット表記であるのも理由の一つだが、会話やあちらこちらに見受けられるマレー語の文章…気のせいか「理解できる」ような感じがしてね…マスターは絶対ありえないが、暇つぶしがてらに学びたくなった。w



「Town Boy」…
教育のためと、また公務員であった作者の父が政府による住宅政策に乗っかる形で、イポーという街に10歳の時に移り住むところから話が始まる。
ここで親友となる華僑のフランキー、個性豊かな同級生たち、町一番のヒロインであるノーマとのデート、様々な行事、学業での悩み、休日にフランキーとつるんでの悪遊び、そしてやがてそれぞれに訪れる巣立ちの日…。

「Stand by me」ではないが、青春時代の楽しくも切ない話が綿々とつづられている。
さすがに名作だ。
最後のフランキーとの別れのシーンは、コマの一つ一つにおいて隙が全くないのだ。

また同時に、もう、日本にはこのような抒情溢れる漫画を描ける人は、いないのだな…と、少し寂しい気持ちにもなった。



だが読んでいて、もう一つ興味深い事に気付いた。
このコマだ。














数学の解き方に悩む高校生の作者(漫画では、マット)。
数学なんかやっても意味がない!僕は将来アーティストになりたい!…と叫んだ後、親友のフランキーはこう応えた(かなり端折った拙訳で勘弁w):



マット、おまえ絶対にアーティストになれるよ。
でもね…今やっているこの勉強が、ぼくらの将来、これからの土台になると思うんだ。
これらの勉強をしなければ、君はボンクラの将来性のないアーティストにしかなれないよ?




親友だからこそ言えた、厳しくも暖かいアドバイス。
フランキーのこの言葉について、我輩もかつての業界において、周囲で思い当たることがあまりにも多すぎて、胸に詰まる。



今回の2週間の旅行では、結局、マレーシアとタイしか訪れることができなかった。
マレーシアにおいて、同国のストイックであるが強い躍進力を感じた。
とりわけ教育に関しての取り組みへの国家国民全体のサポートが強烈に感じられた。
訪れた時期がそうだったのかもしれないが、至る所に奨学金制度に関する宗教慈善団体、職業団体、行政、個人による記念財団等の募集とプロモーションが行われていた。
学校に通うための靴さえも買えない生徒が、担任からの推薦を受けてある宗教慈善団体から奨学金を受け、マレーシアを代表する外科医になった映像を、よく見かけた。
駅プラットフォームや町の何気ないところにも、その手のポスターが貼られまくってた。
平日の朝から午後まで、街中に就業年齢層である児童や少年少女の姿を見かけることは一切なかった。
馴染みのロティ屋台のおっちゃんに何気なく聞いたら、学校に行ってるからだ、何をあたりまえのことを言ってるんだ?…と笑ってた。

いや、これは確かにあたりまえなのだ。
あたりまえの事なんだよ。
台湾でもそうだったじゃないか。
以前訪れた支那の広州でも、似たような光景があったじゃないか。あれはTV広告ばかりだったが。

優秀な才能を、国家、団体、国民が支える…国の形態によって違ってくるが、それはどこも共通しているはずだ。
ただ、偏った形で一芸のみを伸ばすことは、その児童生徒の将来を考えると、大きなリスクであるのは確かだ。
全方位的に一個の人格を整えることが、畢竟、国家に有用な人材へと発展する。
フランキーの言葉は、実にマレーシアの大躍進を象徴している。
またマレーシアという国は、比較的若い国であり、強力な既得利権が存在していないということにおいても、大きなアドバンテージがあるのかもしれない。



そ、タイと比較しているのだ。これは後日、日記で…。
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