下請法の復習(?)

  • 2013.02.12 Tuesday
  • 22:32
JUGEMテーマ:学問・学校 

下請代金支払遅延等防止法(下請法)についての突っ込んだセミナーに出席したが、
かなり奥深く、しかも関係省庁が水面下で調査しつつ、今後更に詳し厳しく掘り下げていくとのこと。

で、復習の意味で、ちょっとケーススタディごっこをさせてくれ〜…具体例とか重ね合わせないと、把握できんのだよ。

ケースはこれ:


本当は、勤めている会社の業種と関係するケースがいいのだが…
あれ?
それにこの場合だと、著作権とか、ソフトウェアが絡むから、ちょっとややこしくなるな。
あ、でも、イラストは情報成果物を構成する情報成果物だから、著作権の帰属先を問わず,下請法の対象となる「情報成果物作成委託」に当たるか。
ええい…あとで読み直してみよう…。



えっと、整理すると…。


イラストレータ (A)
発注元 (B)
編プロの担当者  (C)
同じ編プロのCとは別の担当者 (D)


1)BはCに対して、イラストの発注が行われ、契約がBとCの間で取り交わされた。
2)CはAに対して、イラストの制作作業を発注したが、CとAの間で契約は結ばれなかった。
3)BとCの間で約束された契約金が「間違い」だとし、減額された。
4)Cによるラフチェックが繰り返され、AはCに仕上げた作品を納入し、Cは合格品として認めたが、数日後、理由を告げられず、不可能な期日での描き直しをDはAに対して行い、Aが拒絶すると一方的にAの責任だとして返品された。
5)BがC、Dに制作費を支払ったかは不明。


さてと、気になる点を列記してみよう。
順番とか内容とか関係なく…だけどね。w

まず3)について、「下請代金の減額(4条1項3号)」に抵触する可能性がある。
BとCの間の契約であるが、発注元が下請に対して、下請に責の帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減ずるのは禁止されており、契約自体が無効となる。
ただし、BとCの間で、当初の契約金が「間違い」だと合意し、減額した契約金に訂正した場合は無効とならない。
でもなあ…これって、力関係からして、 B>C だから、相互に合意したものであるのか、立証が難しいなあ。
こんな業界だから、議事録とかないだろうし。あるいはメールがあれば…は、期待できないか。
あれ?「不当な給付内容の変更・やり直し(4条2項4号)」にも抵触しそうだな。

4)については、「受領拒否(4条1項1号)」「不当返品(4条1項4号)」かな。
AとCは頻繁に作品の調整打ち合わせを行い、CがOKを出したが、突然代わったDによって無理なスケジュールで全部描き直せと命じる…あ、これは「購入強制・役務の利用強制(4条1項6号)」か。
当然できないと伝えると、一方的に制作費を支払わないとした。



ただ、この状況であれば、どう考えてもAが不利なんだよな…。
Aが告白しているが、C(Dも含め)との契約を締結していないという点が、致命的だ。
仮にC(D)と契約を交わしていても、内容が下請法、独禁法などの抵触する場合は、契約が無効となり、責任はCとDに帰せることができる(内容をチェックするという前提があるが)。

じゃあ、泣き寝入りかと言えば、さにあらず。

下請法には、発注元である親事業者は4つの義務を課せられている:

書面の交付義務(3条)
下請代金の支払期日を定める義務(2条の2)
書類の作成・保存義務(5条)
遅延利息の支払い義務(4条の2)

ここでこのイラストレーターは、公正取引委員会、中小企業庁に対して、C(D)、並びに所属する編プロに対して「書面の交付義務(3条)」「書類の作成・保存義務(5条)」から訴えることができる。
これらの義務に違反した場合、罰金50万円以下が編集プロの代表者だけでなく、担当であるC、場合によってはDに対して科せられる。そう、個人に対しても、罰が下されることになる。
ただ、未だにこの罰則が適用された事例がなく、あくまでも抑止力としての一文であるが…
また、国が私人に対して科せられる罰金であり、Aが受け取るものではない。また、罰金が課せられたことで、その後、民事裁判でAが訴えた場合、どのような判決が考えられるのか…これは後で調べてみよう…。

あと、CとDの所属する編プロの資本金が、1000万円以上あるかも重要な要素。
編プロが個人事務所で、資本金がこれを下回る場合、下請法が適用されない。個人事務所とかだったらアウトだな。

ああ、それと…Dに途中から代わったとあるが、Cが退職してしまっている場合は、どうなるんだっけか…。

あれ?それと、2003年に改正されたのだが、それより前とかは適用されないとして、民事法上、時効は何年だ?民724後段適用で3年?違う?




…と、こういうことを、調べたり、考えたり、意見を交換したり、論理を組み立てたりするのが、法務のもう一つの仕事だったりする。
専門家を交えてディスカッションをしたり、セミナーで法改正とそれによる影響について資料をもらったり、勘違いを訂正したり、論理に間違いはないか確認しあったり…。

結構、性に合っていることに、我ながら驚いている。
同時に、法を踏みにじる一切の行為が、憎くなる自分に、驚いている。



ああ、上にあげたケーススタディ、全部忘れて。
あくまでも、我輩の想定だけであって、後日、会社でチェックしてもらうことになっているから。まあ、赤ペンだらけになるだろうなw

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